【iDeCoの注意点】節税できない!?iDeCoについて基礎から解説!

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  • iDecoってどういう制度?
  • 節税できるってどういうこと?
  • 本当に節税できるの?

こういった疑問にお答えします。

本記事では、「iDeCo」についてよく知らない方でも、その概要をざっくり理解できるように情報をまとめました。

iDeCoの一番の目玉である「節税メリット」の注意点も簡単に解説したので、興味のある方はぜひご覧ください。

iDeCoとは?

iDeCo=個人型確定拠出年金

です。

それぞれの単語を分解して説明すると、次のようになります。

  • 個人型→個人で運用する(個人型のほかに企業型もある)
  • 確定拠出→支払う(拠出する)金額を自分で決めて行う(逆に支払われる金額は確定していない)
  • 年金→老後にそなえてお金を積み立てる年金制度の一種(原則60歳までお金を引き出せない)

前提として、iDeCoは年金の一種なので、原則60歳まで引き出すことができません。(受け取り方については後ほど説明します)

また、上記の「支払われる金額は確定していない」については、iDeCoで「どの金融商品を選んで運用するか」によります。

iDeCoとは、自分が積み立てたお金を運用して、老後資金を積み立てるための制度です。

iDeCoで運用できる商品には、「元本確保型」である定期預金・保険と、「元本変動型」である投資信託があります。

もし投資信託を利用するなら、市場の動向によっては元本割れを起こしたり、元本以上のリターンがもらえたりと、最終的にいくら受け取れるかはわかりません。

  • いくら積み立てるか?
  • どの商品を運用するか?

「年金」と名はつきますが、「あくまで自分の運用次第」であることは、公的年金との大きな違いです。

以上が簡単なiDeCoの説明でした。

ここからはiDeCOの目玉である「節税メリット」についてお話します。

iDeCoの節税制度

個人型確定拠出年金(iDeCo(イデコ)) - 青い森信用金庫ホームページ [Aoi Mori Shinkin Bank]

パンフレットでも大々的に宣伝されているように、iDeCoが金融商品として人気がある理由は、次の3つの税制優遇に魅力を感じる人が多いためです。

  1. 掛金が全額所得控除
  2. 運用益も非課税で再投資
  3. 受け取るときも大きな控除

以降それぞれの税制優遇措置についての簡単な解説と、注意点について解説します。

1.掛金が全額所得控除

掛金(支払ったお金)全額が所得控除になるとはどういうことでしょうか?

理解するためには、所得と所得税に対しての最低限の理解が必要なので、そこも交えながら説明していきます。

所得について

そもそも所得とは、私たちが稼いだお金(=収入)から、「必要経費」を差し引いたものをいいます。

例えば、500円で材料を仕入れて、1000円の商品を売ったとしましょう。

人件費や家賃などその他もろもろの費用を考慮しなければ、材料費500円が、収入を得るために要した必要経費ということになるので、

収入(売上高1000円)-必要経費(材料費500円)=所得(500円)

となります。

所得にはたくさんの種類がありますが、以降は皆さんが一番馴染み深い「給与所得」を例に挙げて考えます。

給与所得とは、会社員が勤務先から受け取る給料やボーナスなどによる所得のことです。(アルバイト等も含みます)

先ほどの「所得」についての話を振り返ると

所得って「収入 – 必要経費」だったよね?

会社員の必要経費ってなに?そんなのなくない?

と考えた方もいると思いますが、会社員だからといって、必要経費は何も認められていないかというと、そうではありません。

会社員の場合も、「勤務にかかる経費」として、「給与所得控除」という名目で必要経費が差し引かれ、所得が計算されます。(給与所得控除は収入金額に応じて額が決まります)

「控除」とは「差し引く」という意味です。このあとすぐわかりますが、控除は「税負担を軽くする」ために大いに役立ってくれます。

所得税と所得控除

所得税とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課せられる税金のことです。

ただし所得税は、所得全体にそのまま課せられるわけではありません。

税が課せられるのは、所得から「所得控除」を差し引いた「課税所得」に対してです。

所得控除は、社会保険料を支払うことで適用されるもの(社会保険料控除)、子供や家族を養っている場合に適用されるもの(配偶者控除)などさまざまな種類があります。

所得控除は人によって利用できるものが大きく異なるので、ここで詳しく説明することはできませんが、一つ言えるのは「所得控除がたくさんあればあるほどお得になる」ということです。

所得控除が増えると、税金が課せられる「課税所得」が減って税負担が少なくなるからです。

つまり、「掛金が全額所得控除」というのは、iDeCoで支払った金額だけ課税所得が少なくなるので、所得税額を減らすことができるということになります。

実際に所得税額を出す際には、この課税所得に「税率」をかけて、さらに所得金額に応じて一定額を控除してから、いくらかを計算することになります。

所得税額 = 課税所得 × 税率 – 控除額

どれくらい節税できるか?

ではここからは、簡単なシミュレーションを通して、どれくらい節税できるか見ていきます。

日本では、所得が高いほど所得税の税率が上がる「累進課税制」がとられています。

所得税の速算表(国税庁より)

上記の表を基に、課税所得300万円の人を例に考えてみましょう。

税率は10%、控除額は97,500円ですので、所得税額は

300万円×10% – 97,500円 = 202,500円

となります。

ちなみに、税率約10%の「住民税」もこの課税所得に課せられますから、所得税と住民税を合わせると

300万円 × (10% + 10%) – 97,500円 = 502,000円

の税金を支払う必要があります。

正確には、住民税の控除額や課税対象年度は所得税とは異なりますが、ここでは簡単のため割愛します

次に、同じ人がiDeCoを利用して年10万円を拠出した場合を見てみましょう。

所得控除に10万円が加算されて課税所得が290万円になるので、次のような計算になります。

 290万円 × (10% + 10%) – 97,500円 = 482,500円

税額が482,500円に減り、2万円節税できることがわかりました。

では次に、課税所得1000万円の人の場合です。

同じようにiDeCoを利用して年10万円を拠出した場合、税額・節税額は次のように計算できます。

iDeCoなし税額
1000万円 × (33% + 10%) – 1,536,000円 = 2,764,000円

iDeCoあり税額
990万円 × (33% + 10%) – 1,536,000円 = 2,721,000円

節税額
43,000円

課税所得300万円の人と比べて、1000万円の人は5倍以上税金を払っているんですね…

ただ、節税効果については、300万円の人より2倍以上節税できることがわかりました。

考えてみれば当然ですが、iDeCoの所得控除による節税メリットは、所得が多い人ほど恩恵が大きくなります。

節税と言うのは、税金を多く支払っているからこそ効果があるものであって、そもそもあまり税金を納めていない人にとってはあまり恩恵はありません。

もしiDeCoを始める際は、

掛金の所得控除によってどれくらい節税ができるか?

上記のように、簡単にでも計算してみることをおすすめします。

2.運用益も非課税で再投資

私たちが金融商品の運用によって(給与以外で)利益を得た場合、そこには約20%の税が課せられます。

例えば、100万円を元本に金融商品を運用して、150万円まで増やすことができた場合、利益である50万円に対して約20%の税金が課せられます。つまり、実際に受け取る金額は、

150万円 – 50万円 × 20% = 140万円 

になります。

運用益が非課税になるというのは、上記の例でいう20%の課税がなくなり、「150万円まるまるもらえるよー」ってことです。

ただ、当然ですが、運用益非課税のメリットを享受するには、そもそも運用によって利益を出さなければなりません。

定期預金など運用利回りが微々たるものについても、その恩恵はほとんどないこととなります。

もちろん、運用益非課の恩恵を受けるために無理してリスクを取る必要はありません。他の税制優遇制度だけでも十分な人は、状況によって適宜判断すればよいかと思います。

3.受け取るときも大きな控除

今まで見てきた通り、iDeCoで積み立てながら運用してきたお金は、掛金が全額所得控除になることに加え、運用益が非課税になります。

さらにそのお金を将来(60歳以降)受け取る際も、大きな節税効果がありますよー!というのが、3つ目の節税メリット「受け取るときも大きな控除」です。

iDeCoで積み立ててきたお金を受け取る際には次の3つの選択肢があります。

  1. 一時金として一括で受け取る
  2. 年金として定期的に受け取る
  3. (一時金と年金の組み合わせ)

それぞれ税制優遇措置については以下の通りです。

  • 一時金として受け取る場合→「退職所得」として計算され、「退職所得控除」が適用される
  • 年金として受け取る場合→「雑所得」として計算され、「公的年金等控除」が適用される
ここはとても重要なところなので、後ほど詳しく説明します

掛金も控除されて、運用益も非課税で、受け取るときも節税できるなんて最高じゃん!

上記のような税制優遇制度が評価され、各種メディアや金融機関で全面的に押し出されているiDeCoですが、ここで注意していただきたいことがあります。

少し考えてみてください。最後にあなたが受け取るお金というのは、あなたがコツコツ積み立てて、運用してきたあなたのお金です。

そのお金を引き出す際に、

退職所得控除や公的年金等控除で支払う税金が少なくなりますよ!節税できてお得ですよ!

というわけですが、そもそも課税されること自体、おかしいと思いませんか?

iDeCoには定期預金など元本確保型の商品もあると前述しましたが、普通に考えれば、定期預金を引き出す際に税金なんてかかりませんよね?

節税メリットばかり強調されて気づきにくいですが、あなたが将来のためにiDeCoで積み立ててきたお金は、受け取る際に「所得」とみなされ、元本を含む全額に対して課税されてしまいます。

仮に、受け取る際の控除が利用できなかったとしたら、あなたが積み立ててきたお金は、その全額が所得として課税され、がっつり税金を持っていかれるわけです。

つまり、この「受け取るときも大きな控除」が機能しなければ、「掛金の所得控除」も「運用益の非課税」も、節税とは言えません。ただの課税の繰り延べです。

薄々お気づきかと思いますが、iDeCoでは最後の受け取り方が最も重要なポイントとなります。

一時金で受け取るか、年金で受け取るか、選び方によって支払う税金が変わってくるからです。

以降、一時金で受け取る場合と、年金で受け取る場合それぞれについて説明します。

一時金で受け取る場合

iDeCoで積み立てたお金を一時金として一括で受け取ると、「退職所得」という扱いになります。

そしてこの退職所得には、「退職所得控除」を適用することができます。

なんで退職所得になるの?別に退職するわけじゃないのに…

と引っかかるところもありますが、そこはあまり気にせず、「国が節税できるよう配慮してくれてるんだなあ」ってことでご理解いただければと思います。

退職所得控除額は、勤続年数によって決まります。

iDeCoでは、「勤続年数=運用年数」として計算します。

下記の表をご覧ください。

退職所得控除の計算の表(国税庁より)

控除額は、勤続年数が20年以下だと「40万円 × 勤続年数」で計算され、20年を超えた分については「70万円 × 残りの年数」となります。

例えば、iDeCoを30年間運用して一時金で受け取る場合、

退職所得控除額=40万円 × 20年 + 70万円 × 10年=1500万円

となります。

つまり、iDeCoの元本と運用益の合計額が、1500万円までは所得税がかからないということです。

30年間iDeCoを運用して、1500万円ものお金を手にするのはけっこう大変ですから、この退職所得はかなり優遇されていると言えるんですね。

次に、30年の運用期間で、2000万円受け取る場合を考えてみましょう。

退職所得控除は、先ほどと同様で1500万円となりますから、残りの退職所得は500万円となります。

が、この退職所得500万円全額に税金がかかるわけではなくて、課税されるのはその半額の250万円となります。

あとは先ほどの所得税の計算です。

課税所得が250万円なので、所得税の速算表より、税率は10%、控除額は97,500円。さらに住民税の10%も加えると、支払う税金は

250万円 × (10% + 10%) – 97,500円+ = 402,500円

となります。

2000万円受け取るのに対して、支払う税金は40万円。割合でいうとたったの2%です。

さらに退職所得は、「分離課税」といって他の所得と分けて計算されるため、退職所得をたくさん得たからといって他の税金が高くなったりしません。

要するに、退職所得は、節税面で最強に優遇されています

基本的に、iDeCoでお金を受け取る際は、年金より一時金で受け取った方がお得と言えるでしょう。

ただし、会社員の方で、退職金をもらう場合は注意が必要です。

会社で退職金を受け取る場合の注意点

会社で退職金を受け取る場合は、次の2点に気を付けてください。

  1. 会社からの退職金と、iDeCoの一時金は、同じ「退職所得」として合算されるような形となる
  2. 会社からの退職金と、iDeCoの一時金を一定の期間内で受け取る場合、年数が長い方の退職所得控除しか適用できない

例えば、

会社の勤続年数30年、退職金2000万円

iDeCoの運用期間20年、一時金1000万円

で、どちらも60歳で受け取る場合、年数が長い会社退職金の退職所得控除1500万円のみが適用されます。

会社の退職金とiDeCoの一時金の合計は3000万円となりますから、退職所得控除1500万円を適用しても1500万円の退職所得が残ります。

となるとその半額の750万円に、がっつり税金がかかってしまうというわけです。

がっつり課税されるじゃん!じゃあどうすりゃいんだよ!

ということですが、ここについてはまた別の記事で別途解説したいと思います。

年金で受け取る場合

iDeCoで積み立てた年金として定期的に受け取ると、「雑所得」という扱いになります。

そしてこの雑所得には、「公的年金等控除」を適用することができます。

この公的年金等控除の計算は先ほどより複雑なので、今回は特定の場合に絞って考えます。

公的年金等控除の額は、年齢・年金の収入金額・年金以外の所得金額(給与所得など)によって変わるので、人によって大きく異なります

下記の表をご覧ください。

公的年金等に係る雑所得の速算表(令和2年分以後)(国税庁より)

この表は、「公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円以下」における公的年金等控除の速算表です。(公的年金等の収入金額の合計額410万円以上については省略してあります)

ざっくり言えば、「年金以外の所得が1000万円以下」に該当する人はこの表を見ればいいということになります。

公的年金等に係る雑所得の金額は、表中の(A)、(B)、(C)を用いて

公的年金等に係る雑所得の金額 = (A) × (B) – (C)

のように計算しますが、ここでも注意することがあります。

それは

iDeCoの年金受け取り額と、公的年金(国からの年金)の受け取り額を合算した金額に対して、控除が適用される

という点です。

ではここから少し具体的な計算をしてみましょう。

60歳で、「iDeCoの年金+公的年金」が60万円の場合、上記の計算式に当てはめて次のように計算できます。

雑所得 = 60万円 × 100% – 60万円 = 0円

65歳未満の場合、iDeCoと公的年金の合計が60万円までについては、雑所得が0円以下になるため、税金がかからなくなります。

同様に上記の表から計算すると、65歳以上の人が非課税で受け取ることができる合計額は、110万円までとわかると思います。

では次に、65歳で、「iDeCoの年金+公的年金」が400万円の場合を見てみましょう。

速算表より、雑所得は

雑所得 = 400万円 × 75% – 275,000 = 2,725,000円

となります。さらに、今までと同様に所得税と住民税の合計額を計算すると、

2,275,000円 × (10% + 10%) – 97,500円 = 447,000円

となります。

一時金として受け取る場合と比べると、やはりちょっと税金が高く感じてしまいますね。

ただ、公的年金の受給が開始されるのは65歳からですので、60~64歳までの間はiDeCoのみで控除の恩恵をフルに受けることができます。

まとめ

本記事では、iDeCo(個人型確定拠出年金)と税制優遇の中身について解説しました。

iDeCoはがっつり税金が絡んでくるので、計算するのがなかなか大変ですよね…

ぼくが一番伝えたかったことは、

iDeCoは一度始めたら60歳まで引き出せないので、「どれくらい節税できそうか」しっかり考えた上で始める

ということです。

記事中でも節税金額の計算方法はご紹介しましたが、税金の計算は人によってかなり異なります。

また、簡単のため触れていないところもあるので、正確な計算については自分で調べるか、プロの方にお願いするのがよいかと思います。

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