
- 人見知りで初めての人とうまく話せない
- 自分のコミュ力に自信がない
という方に向けて。
本記事では、大ベストセラー「超一流の雑談力」の要約を通して、雑談力を高める方法を具体的かつ実践的にご紹介します。
著者の安田正さんは、ビジネスコミュニケーションの領域で、講師・コンサルタントとして活躍されている雑談のプロ。
という著者の憂いから生まれた本書は、再現性・実用性のあるスキルが惜しみなく紹介されています。
人と会う、話す機会が多い方、人間関係で悩まれている方にはぜひおすすめしたい1冊です。
人見知りだと悩んでいる方へ
「自分は人見知りだからうまく話せない…」という方へ向けて、まず知っておいて欲しいこと。
それは、「人見知り」は特殊な症状でもなんでもなく、世の中のほとんどすべての人は、もともと人見知りだということです。
でも周りを見渡してみると、誰とでも一瞬で仲良くなれる人、話が面白い人、いわゆる「コミュ力が高い人」も確かにいますよね。
人見知りの人と、そうでない人との差とは何なのでしょう?
本書いわく、コミュ力が高い人は、様々な人と会って話していくうちに、人とうまく付き合うコツが体に染みついていると言います。

けっきょく経験かよ!それが苦手だから何とかする方法が知りたいのに!
と残念に思われた方もいるかもしれません。
しかしここからの内容では、雑談力を高めるテクニックについて、誰でも日常に取り入れやすいよう具体的なアクションにまで落とし込んでご紹介ます。
それさえ分かってしまえば、あとは少しずつ実生活に取り入れていくだけです。
雑談力を上げるのに特別な能力や才能は必要ありません。誰でも同じようにトレーニングすることができて、鍛えれば鍛えるほどその効果は表れます。
先に言っておくと、ポイントは次の3つ。
- 自己開示で第一印象を攻略
- 会話の「2つの軸」を意識する
- 相手を深堀する質問で雑談を盛り上げる
さらに、本書から厳選した「今すぐ使える便利フレーズ」も3つご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
雑談力とは?一流の雑談テクニック
本題に入る前に、大前提として知っておいてほしいことは、雑談とは、意味のない無駄話をすることではないということです。
「雑談」ときくと、

- どうでもいいことをおもしろおかしく話すこと?
- あたりさわりのない話で場を持たせること?
といったイメージを持つかもせれません。
あながち間違いとも言い切れませんが、雑談の本当の力を知らず、雑談することに「価値がない」と思っているのなら、それはとても大きな損です。
世の中の「一流」と呼ばれる人々(優秀なビジネスマン、人気の店員さん、有名タレントさんなど)は、この「雑談力」を当たり前のように身に着けています。
- 数分に満たないやり取りで、好印象を抱かざるを得ない言葉の使い方や物腰
- 仕事はもちろん、プライベートのさまざまな場面でも、自分をより魅力的に見せたり、短時間で人の心に入りこんだりする方法
これこそ本書が示す「超一流の雑談力」であり、コミュニケーションの枠を超えて、人生全体にも影響を及ぼすとんでもない技術なのです。
雑談力の本質がわかったところで、先ほど述べた実践的なテクニックについて、3つご紹介します。
自己開示で第一印象を攻略!
会話の序盤で意識するべきこと。それは適度な「自己開示」をすることです。
では、相手も心を許してコミュニケーションをとることはできません。
とはいえ、雑談で一方的に自分の話をするのは、「自分勝手」な悪印象を与えるためNG。あくまで適切な範囲で行うことが大切です。
具体的には「軽い失敗談」を話すのがおすすめです。

学生の頃はサッカー部でやせていたんですけど、ラーメンにはまって以来この通りウェイトアップしてしまいまして(笑)
ただし失敗談にも注意が必要で、「この人は人間的に大丈夫なのか?」と思われかねないものはNG。相手が引くような経験談、身の上話も避けます。
あくまでライトに、相手の心の警戒を解くことを心掛けましょう。

昨日も飲みすぎて今日も二日酔いなんですよ!(笑)
第一印象は、あとの関係にかなり響いてくる重要な要素です。身だしなみ、声のトーンなど、基本的な部分もしっかり意識することもまた大切です。
会話の「2つの軸」を意識する
会話には、「タテ」と「ヨコ」の2つの軸があります。
タテの軸は「会話の深さ」で、ヨコの軸は「何を話題にするか」です。
雑談を盛り上げるには相手をのせる必要があるため、「相手が話したい話題をどんどん深めていく=タテ軸を掘り進める」ことがポイントになります。
そして、
- この人は何に興味があるのか?
- どんな会話をすれば会話が深まっていくのか?
会話のタテ軸を見つけるためには、「さまざまな話題を振る=ヨコ軸を展開する」ことが必要になります。
まとめると、雑談の基本的な流れは、
ということになります。
ところが、タテ軸を深めていくためのフックになるような話題を見つけるのは、そう簡単なことではありません。
会話をヨコに展開していってもそれらしい話題が見つからず、「特に意味のないムダ話」になってしまうことも考えられます。

週末は何されてたんですか?

家族と釣りに出かけましたよ

釣りですか!いいですね!どこにいかれたんですか?

伊豆のほうに行ってきました

伊豆ですか!何を釣りに行かれたんですか?

タイ釣りに行きましたよ

船で釣られたんですか?

そうですね。船に乗って

どれくらいの大きさの船ですか?
この例で行くと、釣りに詳しい人ならまだしも、あまり詳しくない人や興味のない人が、「釣り」にフォーカスして雑談を広げると、ただ間を埋めるための会話になってしまいます。
相手との趣味が合えば、会話を深め、盛り上げることも可能かと思いますが、大抵の場合そうはいきません。
ではどうすればよいのか?
次の項目で、雑談を深める質問のコツを説明していきます。
相手を深堀する質問で雑談を盛り上げる
先ほどの会話の例で、仮にBさんが「バリバリ働くビジネスマンとして有名な人」としましょう。
すると、そのバックグラウンドを踏まえた上で、次のように会話を展開できるのではないでしょうか?

週末は何されてたんですか?

家族と釣りに出かけましたよ

へぇ、ご家族と!Bさんはバリバリと仕事されていると伺ったので、ちょっと意外でした!ご家族との時間は取られるようにしているんですね?

ええ、実は平日はなかなか子供に会えなくて。だからせめて休日は家族サービスを心がけているんですよ。
「釣り」から「Bさん」に視点を変えることで、バリバリ働くビジネスマンであるBさんの、「家族を大切にする」という意外な一面が見えてきました。
だらだらと会話が続いていた最初の例と比べて、こちらの会話はこのあとどんどん盛り上がっていく感じがしませんか?
今すぐ使える便利フレーズ
ここからは、本書で紹介されている「雑談に役立つフレーズ」の中から、3つを厳選してお伝えします。
どれも実践的かついろんな場面で活躍してくれると思うので、ぜひ雑談に取り入れてみてください。
よろしくお願いします!
空気をよくする雑談は、出会いがしらのあいさつから始まります。
「会話の始まり」は「つかみ」の部分。ここでよい印象を与えられると、そのあとの雑談がぐっとやりやすくなります。
始まりのあいさつに細かいテクニックはいりません。まずは元気に素敵な笑顔で、
と言うだけでOKです。
不思議なもので、「よろしくお願いします!」と言われると、人はこれを好意的に受け取ってくれます。

君によろしくお願いされる筋合いなんてない!!
なんて言う人に、出会ったことはありませんね(笑)
もちろん仕事に限らず、プライベートにおいても、「よろしく!」と笑顔で手を差し出してきた人に対して、悪い印象は持たないはずです。
何か特別なことされてるんですか?
会話には「タテ」の軸と「ヨコ」の軸があると、先ほどお話ししましたが、このタテ軸を伸ばすのにぴったりな質問フレーズがあります。
それは
です。
人は髪形を変えたり、こだわりのアイテムを身に着けていたりすると、そのことに気づいてほしいという欲求があります。

今年の夏は冷えますね、、私は寒いとよく体調を崩しまうのですが、Bさんはお忙しいのにお元気そうですね

そうかな?ありがとう。たしかに風邪はあまりひかないね

それはうらやましいです!何か特別なことされてるんですか?

特別ってほどじゃないけど、日ごろから食事にはちょっと気を付けてるかなあ

食事の方法ですか、ぜひ教えてください!
またこの質問は「モノ」にも応用できます。
何かこだわりがありそうなモノを身に着けている人には、「何か特別なものなんですか?」と質問してみましょう。

とても素敵な時計をされてますね

これですか、いえいえ、別にたいしたものではありませんよ

そんな、とてもお似合いです。何か特別な時計なんですか?

いや実はお恥ずかしい話、家内が誕生日に買ってくれたものでして(笑)

素敵な奥様ですね、うらやましいです。ご結婚されて長いんですか?
「どちらのブランドですか?」といった質問が思いつきやすいところですが、「釣り」の例のように、ブランドに詳しくなければ、あまり会話が盛り上がることはなさそうです。
それはうかつでした!
雑談が盛り上がっているにもかかわらず、不意に相手から反論や指摘を受けることも十分に考えられます。
対応次第では、今まで作り上げてきた良い雰囲気が一気に崩れることにもなりかねない、重要な場面です。
そんなときに超使える便利なフレーズが
です。

家を買うなら中古物件ですよね、郊外なら安くていい物件もたくさんありますし

いやぁ、、それはどうですかね。耐震性とか、怖いですけどね

あー、それはうかつでした!おっしゃる通りですね、、もしかしてBさんは新築を建てられたんですか?
仲の良い友人同士ならともかく、これから仲を深めていこうと雑談しているのであれば、「うかつでした」と矛をおさめるのが正解です。話題も深いせず、さっさと次にずらした方が堅実です。
特に商談など明らかにこちらの立場が下の場合では、妥協を迫られる場面もあるため、とても使い勝手が良いフレーズとのことです。
まとめ
本記事では、”超一流の雑談力”から、雑談に役立つテクニックと、実際に使えるフレーズをご紹介しました。
自分のことを「人見知りだ」と思っている人は、コミュニケーションに高い理想を持っている人です。
- 「自分のコミュ力はこんなもんじゃない」
- 「本当はもっと人と上手に話せるはず」
と感じているからこそ、人見知りだと思わずにいられないのです。
著者は、人見知りというコンプレックスこそ、雑談力を伸ばす大きな力になると語っています。
”超一流の雑談力”では、本記事で紹介しきれなかったテクニックやフレーズがまだまだ盛沢山ですので、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
コメント